パヤオ学生寮(シーカー・アジア財団が運営する学生寮)
タイ北部パヤオ県とその周辺県内では、山岳地域に生活するモン族(Hmong)と一般タイ人との間で、教育へのアクセスの格差が顕著になってきています。
とりわけ、中等教育課程において居住地より通学可能な学校の不足や経済的な困難さにより、モン族をはじめとした少数山岳民族の子どもたちの就学率は県内のタイ人と比較して低くなっています。
刺繍の布をつくっているモン族の村
センサイ村には、他の地方農村部と同様に中学校以上がないため、小学校を卒業した村の子どもたちが、中学や高校へ通うことができるように、近くのパン郡の町にパヤオ学生寮がつくられました。
学生寮は、タイの北部には他団体が運営する寮も多くありますが、それぞれの寮により、衣食にかかる費用は自費の場合も多く、食費の捻出が困難な子どもたちもたくさんいます。
パヤオ学生寮では、自給自足をおこなうことで、学生寮の独自の運営と自立を目指しています。
寮には、生徒たちが食べる米を作るための田んぼや野菜畑があり、養豚、養鶏、キノコ栽培などもおこない、自然農法による農作物の生産や家畜の飼育を実施し、可能な範囲で自給していけるよう努力しています。
また、学生寮の運営費を捻出するために、
センサイ村で刺繍された布を、バンコクの
シーカー・アジア財団の縫製センターへ送るだけでなく、近くの村で縫製し、訪問者向けに、寮で販売もしています。
子どもたちへは、モン族の伝統文化継承のための教室を開いたり、独自の商品を考え製作し、製品化していく取り組みもおこなっています。