タイ北部パヤオ県に位置する「センサイ村」は、山岳民族モン族(Hmong)の村で、『織り人』で取り扱っている製品の刺繍をしてくれていた村です。
*2016年以降、刺繍の文様から製品づくりまでをおこなう『織り人』オリジナル商品開発プロジェクトを開始いたしました。
そのため、現在は、モン族の刺繍商品の多くは、タイ北部チェンライ県のモン族の人たちに作ってもらっており、センサイ村で作っている刺繍の製品はオンラインショップ上に一部残っているだけになっています。
タイ国内には8〜9の文化的出自が異なる山岳少数民族が暮らしています。
モン族は、中国雲南から尾根伝いに焼畑をしながら、小さな集落を作って移動生活をしてきました。
海抜1,000m級の山々の斜面に稲やとうもろこしなどの稲作をしながら暮らしていたのを、政府により低地への定住化が進められ、従来の生活様式とは異なる暮らしを強いられてきました。
彼らは文化や言葉の違いなどから、偏見、差別を受けることが多く、貧困、国籍取得が困難などの社会的問題をも抱えています。
親の代では、タイの学校教育を受けてないケースも多いため、読み書きができず仕事に就くことができません。
また、日雇いの農作業でも最低保証賃金を下回る金額しかもらえないことがほとんどです。こうした状況から、子どもたちの教育の機会が、一般の貧困層のタイ人よりもさらに限られています。
センサイ村も、この例外ではありませんでした。
そのため、伝統的な刺繍技術をいかした刺繍布づくりにより、女性グループの所得向上に力を入れてきました。
それにより現在では、継続的に、ある程度の量の刺繍の布のオーダーを受けられるようになり、バンコクの「
シーカー・アジア財団」の縫製センターで、製品として作り上げられています。
モン族の刺繍を使った製品は、
こちらです。
村の入り口を入っていくと、村の女性たちが集まって刺繍を刺していました。
家の前に集まり、刺繍を刺している風景は、村をまわっていると、あちらこちらで見ることができました。
このモン族の手しごとの伝統文化を、次の世代に継承させていくために、
シーカーアジア財団の運営する
パヤオ学生寮で生活するセンサイ村の子どもたちは、独自の製品を考え、製品化していく取り組みを通して、モン族の伝統文化を学ぶ機会を得ています。
モン族の女性たちは、クロスステッチ刺繍やチェーンステッチ刺繍、リバースアップリケ(モラ)などの技術に優れています。
こうした技術は、伝統的に、母親から娘へ、代々その手法を受け継いでいきます。
センサイ村の刺繍風景は、
こちらをご覧ください。